用語集
施餓鬼とは…
施餓鬼とは、餓鬼道に堕ちた衆生のために食べ物を布施し、その霊を供養する儀式のことです。
お釈迦様の十大弟子で多聞第一と称される阿難尊者が、静かな場所で坐禅瞑想していると、焔口(えんく)という餓鬼が現れました。痩せ衰えて喉は細く口から火を吐き、髪は乱れ目は奥で光る醜い餓鬼でした。
その餓鬼が阿難に向かって「お前は三日後に死んで、私のように醜い餓鬼に生まれ変わるだろう。」と言いました。
驚いた阿難が「どうしたらその苦難を逃れられるか。」と餓鬼に問いました。
餓鬼は「それにはわれら餓鬼道にいる苦の衆生、あらゆる困苦の衆生に対して飲食を施し、仏・法・僧の三宝を供養すれば、お前の寿命も延びるだろう。」と言いました。
しかし、そのような金銭がない阿難は、お釈迦様に助けを求めました。
すると、お釈迦様は「観世音菩薩の秘呪がある。
一器の食物を供え、この『加持飲食陀羅尼』(かじおんじきだらに)を唱えて加持すれば、その食物は無量の食物となり、一切の餓鬼は充分に空腹を満たされ、無量無数の苦難を救い、施主は寿命が延び、その功徳により仏道を証得することができる。」と言われました。
阿難が早速その通りにすると、阿難の生命は延びて救われました。これが施餓鬼の起源とされています。